偽空気DolL

こんにちは / こんにちは

わたしは道具 / あなたは主人

わたしの名前は「空気」

あなたの名前は「輪廻」



そこへ行きたい / あそこに行きたい

連れてってあげる/吊れっていうのかい



「お人形さんは飽きたら捨てられる」

だから私はいくつもの永遠の表情を作り上げたのです

誰にも見えない、誰かだけに見られることを許された顔を、

いくつもの永遠は、一定を知らず、停止を知らず

飽きられる事はありませんでしたが、覚えられる事もありませんでした



「それでも、忘れられない私が居るわ」

そうだ、君の事を忘れる事が出来ない。

そして、君の顔は永遠に美しい、

それは当たり前なのかもしれない

見る時、見る時、眼を凝らして涙を流すのかもしれない



どうしてそんなに綺麗なんだ・・   と。





わたしの名前は「空気」

お人形さんは、飽きられもせず、捨てられもしなかった

ただ、そこに一人ぼっちで座って居た。

踏まれても文句を言わず、何も言わずに

「ええ、わたしはすべてを愛しているんだもの」




それを儚いと言うのも/それを切ないと言うのも

僕達の勝手なんだ