裸体にエルメス

貴女の空気、あたしのもの

僕の唇、あなたのもの



始まって凍り付く

憎しみを閉ざして、朝を見る

楽しくないので、愉し(む)んだ

面白いから、生き(てい)るのだ

解らないから、目隠しをするんだ





終った時に気付く

「後悔なんてもんありはしない」

終った時に気付く

「終りなんてもん、無くて在る様なものだわ」



指に塗る油

皮膚が服で在る事に気付く



「   脱ぎたい・・ 」





顔に塗る絵具

眼球が魚みたいになっている



「   舐めたい・・・ 」





皮を剥いだら干乾びる

眼を舐めたら気持ちいいらしい

「わたしはそれをしらない」



眼を開けたら滅びてる

唇を剥いだら喋れないらしい

「わたしはそれをしらない」




見た事ある

聞いた音ある

見たい事ある

寝た事ある

「わたしはそれをしら ない」