精液


「かえりみち」

あたしは余り道に迷わないけれど
不安はもうすぐ、こっちに向かってくる
あたしは余り物を貰わないけれど
希望はもうすぐ、こっちに向かってくる

空は不思議な色をしていて
迷って、出口が怖くて見えないみたいな
そんな海の底の様な空気

色んな物が流れていて
迷って、出口が怖くて見えないみたいな
そんな森の中の様な世界

あたしの首は絞まってゆく



あたしは余り道を選ばないけれど
空腹はもうすぐ、あっちへ行ってしまう
あたしは余り人を好まないけれど
絶望はもうすぐ、あたしに語りかけてくれる

海は不思議な音をしていて
迷って、入口が怖くて入れないみたいな
そんな海の底の様な毎日

色んな人が流れていて
迷って、入口が怖くて入れないみたいな
そんな森の中の様な現実

あたしの足は染まってゆく



未来は どこからきてくれますか
世界は どこからみてくれますか

そんな あたし 笑っていたけれど

神様は、どこからきてくれますか
恋人は、どこからみてくれますか

そうなんだ

あたし 笑っていたんだ



不穏な空気 とめどなく蛇口が増え続ける

弊害が、渦を巻いて 指が千切れてゆく

不安な空気 とめどなく皮膚が炙れ続ける



罪と罰しか言葉を知らないなんて

解っていたけれど 雨に打たれるしかなかった



あたしはひとりでいいけれど

そっと手を繋いでくれる貴方が居たら

そっと傍に居てくれる君が欲しかった



あたしはひとりでいいけれど

かえりみち ひとりでいいけれど

かえりみち ひとりで泣いているんだ



だけれど

あたしは 笑っていたいんだ