poison honey

何時も、誰かを縛るは銀で

何処までも不安にさせるのは黒だ

私は綺麗だろうと
自慢気に白は、
僕達を嘲笑する。

太陽がどれだけ偉いのか。
月がどれだけ臆病なのかを、

知らないだろう。

生きる事のなんたるかを知らないままに
貴女は、また貴女は
爛れたレッドカード。
それは血の色によく似ている。
赤と緑で遊ぶ子ども。
それも血の色によく似ている。

何処で歯車は、噛み合っていないのだろう。
頭痛が溶け出すのを、
薬が教えてくれる。
薬漬けになった君に会いに行く。
「もう、会いたくないんでしょう。」
と、君は何故か笑いながら言う。
「そうなのかもしれない。」
僕は俯きながら、溢した。
花瓶を割ってしまいたかった。
―だとしたら、二人の心に何か響いた筈。
何も壊したくない、何も犯したくない僕の
偽善に濡れたこの両腕は
悲しみしか抱きしめようとしない。

あの日、あの時、
彼女が大雨に濡れていなかったなら
あの時、僕が急いでいたなら
こんな現実を見ることは無かったのに。
何もかも嘘にして
これを夢にしてくれよ神様。
神は眠っている。
僕も眠って、夢から覚めたかった。
何もかも嘘にして
これを嘘にしてくれよ神様。