今まで ありがとう

そんな言葉で次に行ける程 あたしは何も感じないおもちゃじゃなかったし

納得出来る範囲の出来事じゃなかった

何も思い出さないまま 生きることが出来たらどんなに楽しいだろう



あたしは何度も教えてくれた名前を忘れてしまうような女だし

一瞬の優しさに涙してしまうような弱い存在だ



今まで楽しかった

でも、このさきもっと楽しいことがあるかもしれない

その所為であたしなんて すぐに忘れられてしまうのかと思うと

誰かに一番の記憶を植え付けてしまいたくなった



だからあたしはセックスする

名前なんて関係ない、あたしだけの快楽を相手の身体に刻み込むのだ

何もわからなくなる一瞬がきて、あたしはあなたに溺れてる

ばかみたいだけどあたしが思い付いた方法はこんなことぐらいだった



だからあたしはセックスする

する度にあたしは傷付いて、汚れて何も見えなくなり

夜が来る度に無駄な寂しさに口まで浸かってる

そして粘着質な行為に似たあたし。人格が気に入らない、と みんないなくなる




同じ事を繰り返していると 感覚が鈍る




あたしは何も悪くないのだ。 あなたは何も悪くないのだ。
悪いのは何故か空いてる肉の虚空と、

それを埋めようと男を探し続ける理性の効かなくなった 

壊れた精神ってこと。



あたしは何も悪くないのだ。

「さようなら。」