ギャンブル

今迄見た最低な夢

舌がぐちゃぐちゃ傷だらけ
それをまじまじと見つめて泣く
泣く泣く泣く泣く泣く




来た事も無い見た事も無い
不透明な白黒の公園
ぽつぽつと在る遊具に
ぽつぽつと居る子ども





目の前で
人が機械に擦り下ろされてゆく
血塗れの視界に自分の番
「死刑」と云う言葉だけが現実の域を越えていた






呪われるテレビ画面
消えない消えない消えない

犯される






僕は優しい

僕はほっとかないが
他人は僕をほったらかし

興味が無いからだ
面白くないからだ
気持悪いからだ

そうだった



僕は

他人と話して笑う権利も無い

そうだった



独りで無駄な葛藤の中で

指が擦り減る迄鉛筆を握るべきだった



お前がしている事は眼に付くが
俺がしている事は誰の眼にも付かないと云う事

卑怯者と言われたい

間違っている
人格どうにかしろ
常識を知れ
他人に迷惑掛けてんな
気持悪い
喋るな
臭い
近寄るな



私は何もしていない

傷だらけで
傷だらけで
傷だらけで

過去に魅入られる
未来がこんなにも愛しい

明日はある

明後日はない
かもしれない





次の瞬間に身体が蒸発して
親から私の記憶が消える

私は幸せでした






そう思わなければ

自分を許す事は出来ない



気持悪い
気持悪い
気持悪い

価値観が違う
視線が違う
声、が違う

涙に意味が無い



笑ってしまう

お母さんが死んだ
抱き締められた事は無い

お父さんが死んだ
認められた事が無かった

兄が死んだ
お世話になりました

姉が死んだ
今迄ありがとう

犬が死んだ
みんな死んでしまう



私は何も感じない

心が晴れて
清々しい錯覚

舌が痺れる
手が震える

私は何も感じない

何も感じないなら
生きているべきじゃない



傷付いたから
傷付けた記憶が無い

傷付くのが怖いんじゃない
傷付けるのが怖い



自分が嫌いなものにはなりたくないのだから