閉鎖しないぜ!

灰色に目が眩んで、気付けば水の中。川に、落ちたんだ。落ちたかった訳じゃない。落ちなければならなかった。逃げてたんだ。何から?追いかけてくるものから。それは何?警察だよ。
同じく人間にして、見た目もそうそう変わらないのに、あの子はあいつについてって、あいつはあの子に殺されて。舐め回されて、犯されて。
考えているだけで、うん、なにも起こらない。期待だけ爆走、手足は痺れ切ってる。寝起きの汗。きみのと変わらない。
重い重い、四弦の音。長い長い、貴女の呼吸。彼方に見えるはライトの光。底に見えるは人の業。
手を差し伸べて、手を差し伸べて、汗でべとりと握手する。手を振って、間違って汗を撒き散らかして。
寝冷えするように、湯冷めするように、熱気は落ちて夜が夜になる。一番絞り片手に、グラサン掛けて喧嘩売る。
あの子は春を売り、あいつは土地を売る。時には心も捨て、時には魂も売り、なにも間違いなどないのだと、再確認。
シャッターを切る。音と共に、遮断される光、謝絶された視界。
絵筆を手に取り、闇雲に探すのは己の線。ううむ、未だに掴めぬ自信の力。
耳が、音を掴む機能、平然と備えていて、それがまた機能していることを当たり前だと思ってはならない。

それを幸せだなんていわない。
幸せも不幸せも自分で決めるもので他人が読むものじゃない。他人が決めていいことじゃない。

それを幸せだなんて思いたくない。

でも、よかったなぁ、と思う。そうではない人が居るからこそ、また、その輪郭と自分がはっきりしていくのだから。